とうちゃんのトンネル 原田泰治作・絵

とうちゃんのトンネル
原田泰治作・絵
ポプラ社 1996(1980)
35p 23× 26cm(絵本のせか
い30)
〔程度〕小中
定価 本体1,200円(税別)

【たいすけの一家は戦争で食べるものがなくなり、町から諏
訪の伊良賀村に引っ越してきました。百姓仕事がはじめてのた
いすけのとうちゃんやかあちゃんも、ねえちゃんもあんちゃも
いっしょうけんめいに働きます。しかし、一家が住み着いたと
ころは高台のため水が出ず、米を作ることができません。そこ
で、とうちゃんは村人から無理だといわれながら、水を堀りあ
てるため山の中腹にあなを掘りはじめます。くる日もくる日も
つづく苦しい作業と、あきらめることなくそれにいどみつづけ
るとうちゃんの姿は、小児まひで足の自由を失ったたいすけに
生きる勇気を教えてくれます。】
作者、原田泰治の幼い頃の実体験を描いた絵本です。ふるさ
と信州の四季折々の自然を描いて人気のある作者ですが、この
絵本でも、自らの体験が息づく淡々とした語り口と、ナイーブ
派と呼ばれる素木卜な絵がよくマッチして、見るものの心をなご
ませる独特な世界を作り出しています。信州の山々や家、とう
ちゃんがあなを掘る地中の描写は色調を抑え、要所に菜の花や
むらさき大根、合歓やききょうといった季節の花々の可憐な色
を添えて、自然の美しいコントラストを描きます。また、一つ
一つの草や花の描写には、単純化した表現の中にも自然のうつ
ろいを見つめながら暮らす作者ならではの正確さがあります。
戦時下、町から移り住み、村人の温かさにささえられながら、
自然とたたかい、共存して生きていく一家の営みや、中でも困
難に屈することのない父親の姿は、現在の子どもたちにも温か
な思いをつたえてくれます。

 
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