やいトカゲ 舟崎靖子作 渡辺洋二絵

やいトカゲ
舟崎靖子作 渡辺洋二絵
あかね書房 1994(1984)
〔30〕p 29× 22cm(あかね創
作えほん18)
〔程度〕小高
定価 本体1,262円(税別)

 

【ぼくは自転車をなくした。ろう石を買って店から出てきた
ら自転車はどこにもない。友達がさそいに来ても、野球をしに
行けない。ろう石を握ってピッチャーのポーズをした時、石の
上のトカゲが「いいきみだぞ。」と言っているように見えた。
トカゲのいる石にろう石を投げたら、はねてトカゲに当たった。
後に残ったしっぼを見ていると、一人ばっちを強く感じた。自
転車で遊んだ楽しかった日々が思い出される。1か月後、自転
車が出てきた。また自転車で遊べるようになった。いつかのト
カゲにもあたらしいしっぼがはえた。やいトカゲ、せっかくは
えたしっばなくすなよ。】
子どもにとって身近な存在の自転車を素材に取り上げ、自転
車をなくした少年の心理を巧みに描いた展開は、同世代の読者
の心を引き付けずにはおきません。「1日はやっとはんぶんお
わったところなのに、ぼくにはじてんしゃがない。……。あとの
はんぶんをなにしてあそぼう。」と、散文詩風に表現された一
人称の語り口は、少年のやりきれなさ、生活の空しさを見事に
浮き彫りにしています。終末のトカゲヘの呼びかけは、少年の
自戒の言葉でもありましょう。黄と黄緑を基調とした夏の季節
感あふれる絵は、情景の印象的な描き方で、少年の心の嚢まで
感じさせ、読者を少年の孤独な世界にひきこみます。また、四
季折々の自転車遊びの回想場面を鮮やかな色彩でまとめた画面
が、この絵本のアクセントとなり、展開をひきたてています。
詩的雰囲気の文章と心象的表現の絵が、作品の味わいをよリー
層深めています。

 
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