八郎 斎藤隆介作 滝平二郎画 あらすじ

八郎
斎藤隆介作 滝平二郎画
福音館書店 1996(1967)
〔30〕p 31× 24cm(日本傑作
絵本シリーズ)
〔程度〕小中
定価 本体1,100円(税別)

【昔、秋田の国に、八郎って山男が住んでいた。「おら、も
っと大きくなりてえな―」雲を見下ろすほどの八郎でも、海の
大きさにはかなわない。ある日、海辺でかわいらしい男わらし
が泣いていた。八郎は八畳敷もある手のひらにわらしをのせ、
訳を聞いた。村の田が塩水かぶって駄目になるんだ、と。わら
しの話を聞くと、八郎は、大きな山をふもとから持ちあげ海ヘ
投げこんだ。静まったと思った海はもっと怒って再びおしよせ
た。八郎はわらしの頭をひとなでし、「おらも行ぐからな!」
と海に入った。両手をひろげ大波をおし返しながら、波の中に
沈んでいった。その時、八郎の大声がひびいて来た。「わかっ
た! おらはなして大きくなりたかったか! おらはこうして
みんなのためになりたかったんだ」。】
全文を秋田の地方語で語った、民話風創作です。構成の見事
さと語り回の美しさのため、ともすれば民話か伝説と思われが
ちの作品です。ここには美しい日本語が生きています。八郎の
やさしさが、苦しみあえぐ農民や、わらしの心とひとつに溶け
あって、民衆への深い愛をおおらかにうたいあげています。山
よりも大きな体、その体に秘めた繊細な心の八郎が身を挺して
海に入る姿は、読者の心をゆさぶり、人間愛の本質を、大人ば
かりでなく、小さな読者に伝えてくれます。
白黒のコントラストによる切り絵の迫力は、子ども達の感動
をよびます。よみきかせに、小さな瞳を輝かせながらくい入る
ように聞いている子ども達を見ていると、八郎に頭をなでられ
たわらしを彿彿とさせます。

 
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