1こでも100このりんご 井上正治

1こでも100このりんご
井上正治作・絵
岩崎書店 1997(1993)
28p 25× 22cm (えほん・ワ
ンダーランド25)
〔程度〕小中
定価 本体1,262円(税別)

WS000385

【まちのなかのくだものやさんに、りんごがかざられていま
す。それも、たった1こです。
サラリーマン、出稼ぎのおじさん、画家、医者といったさま
ざまな職業の人たちが、店のりんごに気づいて立ち止ります。
りんごはその人たちの仕草を観察して、それぞれの職業をいい
あてます。もちろん読者は、りんごの気持を読みとってしまう
にちがいありません。そして安心します。作品を共有するとい
ってもいいでしょう。例えば、「1こ30円のりんごを3こ買う
と、ぜんぶでいくらでしょう」とつぶやく女の人を観察して、
「先生」といいあてるように。】
果物屋には店番がいらないほどのどかで、時代を感じさせま
す。最後に子どもたちが登場します。そのうちのひとりの女の
子がりんごを買い、次の日の遠足で、「がしがし」と食べます。
昨日一緒だった二人の男の子は、開いた国がふさがらないほど、
うまそうなりんごに見入ります。
モノクロの画面の中に、りんごだけを赤く彩色した作者の意
図は明確で、ゆるぎなさを感じます。それは、1こがきわだっ
たイ固性として描かれ、100人ものさまざまな人間と対峙するこ
とによって、1こでも100とおりのメッセージが生れるのです
が、「りんごはりんご」。うまそうに小気味よく食べられてこそ、
本望だとりんごは誇りに思っているようです。
そして、わたくしたちの個性の再発見につながるであろう、
作品のモチーフを大切にしたいものです。

 
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